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やらないことを決める

群馬県前橋市、行政書士ふくろう事務所の山田俊介です。

今日は高崎市総合福祉センターで開催されたエンディングノート・遺産相続無料相談会に相談員として参加してきました。

「エンディングノート」ということばを、最近よく耳にするようになりました。セミナー開始時刻のずいぶん前から着席され、みなさんの関心の高さがうかがえます。

 

「エンディングノート」の書き方のコツ

ぼくがエンディングノートの書き方相談を担当させていただいた方の中に「なかなか筆が進まない」とおっしゃる方がいらっしゃいました。

 

どうして?と尋ねると「長男に面倒見てもらいたいけど、長男の奥さんがよく思わないだろうし。長女はお嫁に行った先で忙しいし、すると次男に頼むより他にしかたない。」という趣旨のことを話してくれました。

 

人に迷惑をかけてはいけない。実現したいことよりも先に、実現できそうなことを思い描いてしまう。先入観に取り囲まれていることが理由でエンディングノートの筆が進まないのだと分かりました。

 

そこでぼくが『こういう考え方もあるんですよ』というお話をさせてもらったところ、泣き出されたんです。

 

「そうですか。そんな封に考えればいいんですか。すいぶん気持ちがラクになりました」と言って、少しずつ筆が進むようになりました。

やってみようと思ったこと

こんなやりとりをしているうちに、自分で「エンディングノートの書き方教室」を始めてみようかなという思いが沸き上がってきました。

 

ぼくは人前で話すことは得意ではありません。遺言や遺産相続に関するセミナーを繰り返して、なんとか人前で話すことに対する苦手意識が小さくなってきたレベルです。

 

一方、人の話をじっくり聴くことは、得意な部類に入ると思います。

あなたが遺言書でほんとに書きたいことは何?あなたの遺産相続でいちばん大切にしたいと思っていることは何?といったことをていねいにうかがっています。これまでもお客様の声はおおむね好評です。

 

ぼくの得意分野を前面に出すことで人のお役に立てるのなら、それはお互いにとってとてもいいことだと感じます。

また先日は、群馬県高崎市で開催された群馬県行政書士会の新春賀詞交歓会に参加してきました。

 

交歓会には行政書士のほか、群馬県にゆかりのある国会議員・県議会議員・県内の市長など行政関係者が多数列席され、賑やかな会でした。


群馬県内の行政書士に関する統計発表

交歓会の席上で群馬県内の群馬県内にいる行政書士の数が1,100人に到達したという発表がありました。ぼくより後に開業した同業者も120人にのぼります。

 

どうやら新人扱いからは無事卒業できたようです。

 

開業以来、取扱い業務は広げる一方でした。ここ数か月間ぼんやりと考えてはいましたが、そろそろ「やらないこと」を決める時期に差し掛かっているなあとあらためて感じました。

高崎市総合福祉センターを訪れた行政書士ふくろう事務所

行政書士業務としてやらないと決めたこと

そこで、業務として任意後見人をお受けしないことを決めました。

 

「成年後見」ということばを聞いたことがありますか?

自分が認知症になったときに、財産管理・身上監護をしてもらう制度のことをいいます。

 

成年後見は大きく、法定後見と任意後見に分けられます。

法定後見は、認知症になってしまった後に、裁判所が指名した人に後見人になってもらいます。誰に面倒を見てもらうのか分かりません。一方任意後見は、認知症になってしまう前に、自分の意思で誰に面倒を見てほしいかを決めて契約を交わしておく、と考えればよいでしょう。

任意後見人をお受けしない理由

端的に表現すると、今のぼくには心理的負担が大きすぎるということです。2019年5月に卵巣がんで愛妻を亡くし、3年半の看護生活にピリオドを打ちました。われながら完璧な看取りだったと思います。しかし、それだけにとても大きなエネルギーを費やしました。

 

任意後見人は、依頼者の人生を背負うほどの覚悟が必要です。「看取り」を実体験した者からみると、研修会・勉強会に参加される人の中に「看取り」を軽く考えている人が少なくないなあと感じています。

 

ぼくの気持ちの整理がつき、依頼者の人生を背負える覚悟が再燃するまで、任意後見人のお役目を受けることは無期延期にしたいと思います。

 

もちろん、任意後見人のなり手がいらっしゃる方については、任意後見契約書の作成はこれまで通りお手伝いさせていただくつもりです。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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