相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
1 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。
第27条から第29条までの規定は、前条第1項の相続財産の管理人(以下この章において単に「相続財産の管理人」という)について準用する。
相続財産の管理人は、相続債権者または受遺者の請求があるときは、その請求した者に相続財産の状況を報告しなければならない。
相続人のあることが明らかになったときは、第951条の法人は、成立しなかったものとみなす。
ただし、相続財産の管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
1 相続財産の管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
2 前項の場合には、相続財産の管理人は、遅滞なく相続人に対して管理の計算をしなければならない。
1 第952条第2項の公告があった後2か月以内に相続人のあることが明らかにならなかったときは、相続財産の管理人は、遅滞なく、すべての相続債権者および受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、2か月を下ることができない。
2 第927条第2項から第4項までおよび第928条から第935条まで(第932条但し書きを除く)の規定は、前項の場合について準用する。
前条第1項の期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は、相続財産の管理人または検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、6か月を下ることができない。
前条の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人ならびに相続財産の管理人に知れなかった相続債権者および受遺者は、その権利を行使することができない。
1 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部または一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第958条の期間の満了後3か月以内にしなければならない。
前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。
この場合においては、第956条第2項の規定を準用する。